大学受験に落ちた子供に親がかける言葉。東大不合格で阪大進学の子の気持ち。

大学受験に落ちた子供に親がかける言葉。東大不合格で阪大進学の子の気持ち。



受験に落ちた子供に親がかける言葉。東大不合格で阪大進学した気持ちを振り返る。
くーやんです。ワンオペ育児では、子供の教育の責任も自身にかかり大変
そこで今回は「受験生を持つワンオペ育児中の方」向け発信。
まだ子供が乳幼児の方も、いずれ通る道なので一読いただければ幸いです。

今の時期になると、毎年思い出すのが「大学受験に不合格」だったこと。
そこで「受験に落ちた子供に掛ける言葉」について検索してみました。
すると、親側の意見は数多くある一方、子供側からの意見はあまり見かけませんでした。

以下の記事でも書いたように、私自身は「共働きワンオペ育児」で育った子供で、大学受験に失敗した子供でもあります。
10年以上前に東大前期試験を受けて落ち、後期試験で受かった大阪大学に入学しました。


ワンオペ育児していると、子供の教育の責任も重くのしかかってきますよね。
2018年1〜3月期ドラマ「隣の家族は青く見える」でも、ワンオペ育児の母親が子供の教育を頑張ってやや空回りしていました。

子供が合格すれば、自分も子供も「よかったね、頑張ったね」で終わります。
が、問題は子供が残念ながら受験で失敗してしまった時

東大落ちた!にほんしね…!!

当時は、完全自暴自棄になりました。
今思えば、共働きワンオペ育児をしてきた母を精神的にもっとも苦しめたのがこの東大不合格〜大阪大学入学を決定するまでの時期だったと思います。

そこで今回は、東大に落ちて阪大に行った私が当時思っていたこと、10年以上経って思うこと、そこから見える受験に失敗した子供の精神面や声掛けについて考えていきます。



東大落ちた…大学受験に失敗した当時について

私の成績

まず、高校には同学年360人中、高校入試トップの成績で入学しました。
それから学年順位は常に20番以内。
一方、在籍していた高校は、上から50人ほどは東大・京大を受け、大阪大学に行くのは上から100番くらいまでの生徒。

つまり、自分よりも常に成績が悪かった人が東大京大に行き、はるかに下のレベルの方々と同じ大学に行ったことになります。

正直、この事実が、東大不合格後も阪大入学後も、ずっと自分を苦しめました。

受験について

当時は旧帝大でも前期試験・後期試験がありました。
3月10日に東京大学合格発表:数点足りずに落ちました
3月13日に大阪大学後期試験:東大落ちのショックからか高熱で受験
3月22日に大阪大学合格発表:自宅でネットから結果を見ました

東大合格発表からわずか3日後の大阪大の後期試験に合格し、現役で大阪大学に行っています。 この、東大前期試験〜阪大後期の合格発表までの期間、2週間もありません。

10日〜13日で気持ちを切り替えるとき、後期試験以降の進路選択のとき…
掛けてもらった言葉は私にとって重要なものでした。

特に後期試験の前は、熱が出たこともあり、かなり自暴自棄になっていました。
そばにいた母には本当に助けられました。


受験に落ちた私が思っていたこと

大阪大学なんて最初からA判定が出ていた大学。
何のために身を削って勉強してきたのだろう。
専門卒の母に、私の気持ちなんてわからないよ。
結果的に大阪大学にしか行けないのなら、もっと勉強せずに遊べばよかった。
浪人してまで東大行っても、私よりレベル低かった人が行ったとこでしょ、意味ないよ。
浪人しても、また苦手なところばかり出たら、落ちるかもしれない。
なら、もう少し頑張って海外のもっと有名な大学に行こうかな。
それとも、いっそ、興味がある美術をもっと勉強して、芸術家を目指そうかな。


これらは、東大不合格以降、実際に私が母親に言った言葉。
正直聞いていてイライラしたと思います。
これ、今自分で書き出してもかなりひどい事言っているし傲慢だなと感じます。

頑張って頑張って、それでも大阪大学に入れなかった人も沢山いますし
芸術家なんて、そんな簡単な気持ちでなれるものではありません。

でも、全て大学受験に落ちた当時の正直な思いなんです。
次項から、その時の気持ちを踏まえ、どんな言葉を掛けて欲しいか書いていきます。


かける言葉も励ましも慰めも、いらない。ただうなずいて。

かける言葉も励ましも慰めも、いらなかった。ただうなずいて共感して欲しかった。

「受験不合格」は頑張りを否定された気分

不合格になった私は、今まで頑張ってきた全てを否定された気分になりました。
だから、最も近くにいる親にまで否定されたくありません

「あなたも頑張ったけど、他の人のほうが頑張ってたんだよ」と言われても
「いや、私も全てを投げ売り頑張ったんだよ?」となります。

「次は絶対大丈夫。次頑張ればいいよ。」と言われても
「いや、今までも散々頑張ったから。何その根拠のない大丈夫は。」となります。

「結果が全てではないよ」と言われても
「いや、東大という肩書きを一生得られないんだよ」となります。

「私も実は失敗した経験が…」と言われても
「いや、あなたの話は聞いていないです。」となります。

基本的に、全ての言葉を受け入れられません。


だから共感して、認めて欲しい

基本的には、何も発してくれなくていいです。

でも、子供が発した言葉は受け止めて、共感して、反復して、認めてほしいです。

「こんなに頑張ったのに…」と言われたら
「頑張ったの知ってるよ」と。

「悔しい」と言われたら
「そうだよね、悔しいよね」と。

阪大後期試験日前日の私の言葉
「阪大行くために頑張ったんじゃないよ、阪大受ける必要あるのかな。」

それに対する返答
「東大行くために頑張ったんだもんね。せっかく大阪まで来たんだし、もう少しだけ頑張ってみて、記念に阪大受けてから、どうするかゆっくり考えよ??」

実際にワンオペで育ててくれた母が私に掛けてくれた言葉です。
頑張ったことを否定せず、ただただ共感し、最後にポンと背中を押してくれたこと、
10年以上経った今でも忘れられません。

特に最後にご紹介した言葉。
もし母が、怒って「枠を一つ他の人にあけろ」と帰るように促していたとしたら…
今の私はありません。

何か伝えたいことがあるなら、共感の後に、ひとこと言ってみて様子を見て欲しいです。
受け入れてもらえそうなら、少しずつ思いを伝えて、ちょっとずつ、背中を押していってください。


少し時間が経ったら、ちょっとだけ、次のステージを一緒に考えてほしい

実は、母はここ失敗しています(笑)

実家は共働き、姉も他都道府県の大学生のため昼間は私一人。
私は大阪大学受験後、合格発表までひたすら家でゲームをしていたんですね。
進路決定まで時間がないのはわかるけれど、まだまだ消化できていなくて、考えたくなくて、とにかく逃げたくて

ゲームばかりの私に対して「ちゃんと調べるんだよ」と言ってきたのです。
その一言が元になり大喧嘩しました。

甘えだとは思いますが、本当はぜんぶ一緒に考えて欲しかったんです。

今まではなんとなく成績で高校も大学も選んできた身。
もうじき親元を離れるとしても、まだまだ将来を選択するには幼いんです。
自分の決定に責任を持つのは、不安なんです。

だから、どうか将来を考えるときは、一緒に考えてあげてください。
選んだ選択肢、選ばなかった選択肢…
後悔を最小限にする選択のため、もし子供が望むなら知恵を貸してあげてほしいです。

私は大ゲンカののち、たくさん話し合い、大阪大学に合格したら進学することまでは決めました。
不合格の場合については結論に達せずに終わりました。

次から、不合格後にどう気持ちが変わったかを書いていきますよ〜


あれから10年強、今の気持ち

後悔はしているけど気持ちを切り替えた。合格した人と同レベルに就職できた。

入学当初の後悔は徐々に薄れた

正直、大学入学当初は後悔ばかりでした。

冒頭で述べたように、自分より成績が悪かった方々と同じ大学に入りました。
でも、大阪大学は世間的には難関大。
自分と周りとの大学へ対する思いのギャップがあり過ぎて、苦悩の日々が続きました。
同じように東大落ちで阪大に入った友人で、休学し仮面浪人に切り替えた子もいました。

でも、逆にそれなりの努力で良い成績が取れるのも事実なんですね。
理系なので研究室選びは非常に重要で、その研究室は成績順に決まることが多いです。

楽に良い成績が取れて希望の研究室に入れるなら、寧ろラッキーじゃん

と徐々に気持ちを切り替えられるようになりました。
あ、もちろんそれなりに努力はしましたよ(^^;

また、大学院で希望の大学に進学して挽回することも可能です。
東大落ちから阪大に入った子で、やっぱり東大に行きたくて、東京大学大学院に進学した友人もいました。
私は大学院進学時点で後悔もすっかりなくなり、研究室も第一希望に所属していたため、結局大阪大学大学院に進学しました。

後悔はあるけど気持ちを切り替えた結果、就職先は東大卒の人と同じに。

東大落ちて浪人せずに大阪大学に入学したこと、後悔は無いわけではありません
それは、10年以上経った今でも変わりません。

日本では未だ「東大」というネームバリューが凄いです。
「東大卒」はいわばブランドですね。
このブログも「東大卒」なら説得力が増すのに、と感じることが多々あります。
何浪でも東大に変わりないので、何浪かしていても「東大」が肩書きの方大勢います。

だけど、進学先の大阪大学で良い成績を取り、自分の希望の研究室に入れた結果、いわゆる一流企業に就職して「東大卒」「京大卒」の方々と一緒に仕事をしています。
その点で言うと、回り道はしたものの就職先というゴールは全く同じになりました。
旧帝大以上の人ばかりなので「東大」「京大」にとらわれる生活には全くなりません。

将来イメージが大事な発信者となりたいならば「東大卒」ブランドは非常に強く、浪人してでも東大に行く価値はあったでしょう。

しかし、研究者になるならば「東大卒」よりも「その分野で著名な教授の研究室出身」の方がはるかに強いです。
その点では、東大を落ちたおかげで、その分野の権威である先生の元でご指導いただけたことは、強みになっています。

また、辛いことがあっても「あの怒涛の日々を乗り越えた」経験を思い出し、自分なら頑張れると考える糧になっています。

進路選択後も後悔は続く、だからしばらく気に掛けて欲しい

進路選択後しばらくは、上記のように受け入れられなかったり、苦労が続くでしょう。
特に浪人した場合、他の人達が華やかに大学生活を送っているなか、非常に精神的に追い詰められるようです。

可能であれば、しばらくの間、ちょっとだけ、気に掛けてあげて欲しいです。
やりすぎるとうざがられるので、ちょっとだけ、です^^;

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最後に。どうか子供も自身も責めないで、そっと見守って。

ここまで、「受験に落ちた子供に掛ける言葉」について、東大に落ちた私が、不合格になった子供側の気持ちから語ってきました。
以上をまとめます。

受験に失敗した子供の気持ち
  頑張りを「不合格」の烙印で否定された
  何も考えたくない
親にして欲しいこと
  子供の言葉を反復し共感
  少しずつ考えを伝え、背中を押す
  進路は一緒に考えてあげる

受験の失敗は、長い人生において初めての大きな挫折になる子供もいることでしょう。
でも、この挫折は次のステージで飛躍するために大事なこと

東大に落ちて浪人した友人は、浪人時に自らを見直して京都大学に一浪で進学、博士課程まで行き、好きな研究を今でもしています。
東大に落ちて阪大に入った友人は、阪大在学時に自分が英語と歌が好きなことに気づき、留学の末に、英語歌詞でシンガーソングライターをしています。

「受験に失敗する」ということは、自分を見直すきっかけにもなり得ます。

「あの時落ちたから良かった」
子供がそう思える人生を歩む、後押しになれるような言葉。
今までずっとそばで見てきたなら、きっと掛けてあげられるはずです。
私は、選び抜かれた共感の言葉と背中を押す言葉に、非常に助けられました

「私の育て方が悪かった」「1人で育ててきたからだ」なんてどうか思わないで。
前を向けるのはまだまだ先かもしれない、
だけど消化できる日がいつか来るはず。
その時まで、そっと見守っていてあげてください。

また、ワンオペ育児だと、教育の責任がどうしても親のどちらかに行きがちです。

現在もし子供の教育について、自分だけで担っているのならば、夫婦や家族で一度話してみてください。
無関心や塾などに丸投げで、自身のことを家族が本気で考えてくれないのが1番辛いです。


以上、大学受験に失敗した、子供側からのお願いでした。

ちなみに受験後の参考書、赤本は高価買取もありますので、進路が決まり不要なら売っちゃうのも有りですね。
私は思い出すのが嫌で捨てちゃいましたが、売ればよかった…
大学受験参考書・赤本、予備校テキスト買取サイト「学参プラザ」
*くーやん*
実は書きながら思い出して泣きました←
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3 件のコメント :

  1. くーやんさん

    とても優しく読みやすい文章で心が和みました。
    この3月に子供が大学受験を終えました。
    結果は、くーやんさんと同じく東大は合格を頂けず、早稲田と後期日程の国立大に合格しました。
    東大の合格発表の日、塾に報告に行ってすぐ、2日後に控えた後期試験の為に自習室にまっしぐらに入っていったことが記憶に焼き付いてます。
    その日から、毎日何回も塾の代表者から「後期受けるな!早稲田行け!」と何度も勉強している子供の頭の上から罵声を浴びせられたそうです。
    そんな状況でも、競争率の高かった後期日程で合格を頂き、無事に入学することができました。塾が早稲田に行かせたかったのは、塾のチューターとして雇用するのに肩書きが欲しかったからで、それを子供が察して憤慨して試験に力が入ったのだと思いました。
    親としては、いまだに東大の合格を頂けなかったことと、塾から受けた仕打ちに心の傷が癒えず、検索していたらくーやんさんのブログに出会えました。
    くーやんさんのコメントを読ませていただいて、私たち親子自身が進むべきところや、心の持ち方が見えてきたように感じて、もやもやしたものが晴れてきたように思います。
    くーやんさんに出会えたことに感謝します。
    これからも頑張ってください(*^^*)

    返信削除
    返信
    1. コメントありがとうございます。

      この1ヶ月は怒涛の日々だったことでしょう。
      お子様のサポートお疲れ様です。

      また、後期試験の合格、おめでとうございます。
      気持ちの切り替えが難しい中、ものすごく頑張って勝ち取った合格ですね^^


      当時思っていたそのままの気持ちを書いたので
      読みにくい点や自意識過剰な点が多々あったと思いますが、
      そう言っていただけて、たいへん嬉しいです。

      東大京大落ちは、他大学落ちとはまた違った独特の意味を持つと考えています。
      塾から罵られたことも含め、今すぐに心の傷を癒やすのも、難しいでしょう。

      実際に私もいまだに東大に受かっていれば…とブログを書いていて思うこともありますが、
      10年経った今ではほとんど消化でき、大きな糧とすることができています。


      最近読んだ「置かれた場所で咲きなさい」という有名な本に、次のような言葉がありました。
      「人はどんな険しい峠でも越える力を持っている。そして、苦しさを乗り越えた人ほど強くなれる」
      「悩み疲れる前に、別の視点から考えてみる。見方が変われば、たとえ悩みは消えなくても、勇気が芽生える」

      今は受け入れるのが難しいかもしれませんが、乗り越えたときや別の視点から考えてみたときに、
      きっとこの経験は無駄にならないと信じています。


      新生活が始まったばかりで、大変なことも多いかと思います。
      どうかご自愛ください。

      そして、たくさん素敵なお話をお子様から聞けたらいいですね♪

      この度はコメントいただき、ありがとうございました。

      削除
    2. *くーやん*さん

      子育てにお仕事に大変お忙しいにも関わらず、すぐに返信を頂きましてありがとうございます。

      更に素晴らしいコメントを頂きまして心から感謝しています。あらためて、子供が大変な思いをして頂いた合格が、人生の中で輝ける価値のあるものだった、ということに気づきました。

      本当に、自分の気持ちの持ち様で見方も変わるのですよね。

      たくさんの心温まるアドバイス、本当にありがとうございました。


      削除